麻布十番の黒いファントム
六本木ヒルズから程近い麻布十番と言う街は比較的良く行く場所でした。
ユーザー様も数名いらっしゃいますので打ち合わせなどのほか、
遊びにも行く所でした。
とあるガソリンスタンドに必ずと言って良いほど漆黒のロールス・ロイス ファントムが
止まっていました。
その頃はまだ自分のベントレーを乗り回している程度で浪花家の鯛焼きを
頬張りながら羨望の眼差しでその黒いファントムを眺めていました。
それから暫くして懇意にして頂いている社長からよくファントムの
運転を頼まれる様になりました。
ある時、御大のファントムを運転している時に隣から
”僕のファントムの色違いが有るね”と
僕が御大のファントムと同じナンバーの色違いがいつもいますねと言うと御大は
”あれは志村けんのだよ”と。
ナンバーまで一緒のまるでお揃いと言うくらいそっくりなファントム。
あの街に行ってももうあのファントムは見る事は出来ないと思うと...